「AIに推される会社」インタビュー
♯シップ斎藤の推し対談vol.5
「AI」の先進技術と「おばちゃん」の温もりが融合する、唯一無二の組織戦略

「AIに推される会社」インタビュー
♯シップ斎藤の推し対談vol.5
「AI」の先進技術と「おばちゃん」の温もりが融合する、唯一無二の組織戦略
つくば住生活株式会社
代表取締役
前島 聡一
茨城県で施工実績No.1を誇る窓・玄関ドアリフォームの専門店「つくば住生活」様。
BtoBメインだったサッシ業界において、いち早くWeb集客を確立し、現在は最新のAI導入に踏み切っています。しかし、前島聡一社長が描くAI戦略は、単なる効率化とは一線を画すものでした。
Webサイトに現れるのは思わず「お母さん」と呼びたくなるような親しみやすさ全開のAIキャラクター。その真意と、AIを経営の武器に変えるための「組織の地力」について伺いました。
BtoCへの挑戦。サッシ業界で一早くWEB集客とAIを導入
シップ斎藤(以下、斎藤)
シップ斎藤(以下、斎藤)
前島社長は、この業界でもいち早くWeb集客を確立され、常に先陣を切ってこられました。周りに取り組む会社が少なかった当時、どのようなお考えがあったのでしょうか。
前島社長(以下、敬称略)
前島社長(以下、敬称略) もともとサッシ業界はBtoBが基本。BtoCへの参入は不可欠だと感じていましたが、当時は売上の100%が既存の工務店様。一番に考えたのは「お世話になっている取引先の感情を逆なでしないこと」でした。だから、看板やチラシで派手に宣伝するのではなく、「探している人だけが辿り着くWeb」を選んだんです。
斎藤
斎藤 それから10年、今ではLIXILリフォームコンテストの窓リフォーム部門で全国1位を獲るほどの組織に進化されましたね。
前島
前島 組織をBtoC仕様に変えるのは大変でした。見積書の作り方一つから変え、専門用語を封印し、お客様の言葉を理解して形にする。補助金の申請なども「面倒だから」と伏せるのではなく、お客様ファーストで徹底する。
斎藤
斎藤 そのつくば住生活様のお客様への姿勢、『誠心誠意』という社是をWebで表現させていただいたのが前回のリニューアルですね。AIについても窓ドア業界でいち早く導入いただいたと思います。
前島
前島 そうですね。さらにその姿勢を体現するために、「24時間休まず働く優秀な営業マンの機能強化」としてAIの導入を決めました。
営業時間外の活用が7割、問い合わせ率は10倍
斎藤
斎藤 実際にAIのログを見ると、約500件の施工事例や商品情報等を豊富に学習した結果、土曜日や深夜に「防音」や「騒音」の悩みに寄り添い、具体的な費用感までラリーが続いて問い合わせに繋がっているケースも多いです。
前島
前島 先日履歴を見て、「営業時間外にこんなにやってくれてたんだ」と驚きましたね。 自分たちでは絶対に対応できない時間に、知りたいことに誠実に答えてくれていますよね。
斎藤
斎藤 営業時間外の対応が7割、AIチャット経由の問い合わせ率が10倍というデータも出ています。対話を通じ、誠意ある姿勢を伝えご要望を引き出す。まさに『誠心誠意』な姿勢でつくば住生活様のAIらしさが出ていますね。
前島
前島 自分がAIを使っていて一番嫌なのが、質問をはぐらかされることですから(笑)。「あ、こういうことなんだ」としっかり分かった上で、「ここから先はプロに聞かないとわからない」という境界線で実際の問い合わせに繋げる。
AIはツール。最後は「組織の地力」が勝負を決める。
斎藤
斎藤 今後、AIに求める「理想の姿」はどのようなものでしょうか。
前島
前島 優秀な営業マンがやっている「察すること」をAIにも担わせたいですね。例えば「寝室に内窓をつけたい」というお客様に対し、ただ見積もりを出すのではなく、「なぜ他のお部屋はいいのですか?」と的確な質問を投げかける。そこで家族構成や本当の悩みを引き出せれば、リアルな営業マンにバトンタッチする時には、すでにお客様の納得感が高まっている状態になります。
斎藤
斎藤 一問一答ではなく、潜在的なニーズを掘り起こすコンサルタントのような役割ですね。
前島
前島
ただ、AIが立派でも、実際の対応にギャップがあれば「諸刃の剣」にもなります。AIの対応が丁寧なのに、現地の人間が約束を守らなければ台無し。
うちは事務員さんまで社員全員が「開口部グリーン化診断士」の資格を持ち、LIXILのコンテストで全国1位を獲るような地力があります。自分の目の届く範囲の仕事を、自社教育された、地元に根付いた人間がやる。この「安心感」という地力があるからこそ、AIの窓口が活きるんです。
人生相談をしたくなるAI「窓恵(まどえ)さん」の衝撃
斎藤
斎藤 次のAIアップデートとして、AIキャラクターをあえて「60代の女性」に設定されることを前島社長にご提案いただきましたが。60代ですか?AIは綺麗なお姉さんが一般的ですけどね。
前島
前島 綺麗なお姉さんは要りません(笑)。 若い綺麗な女性キャラじゃ面白くないし、相談する時に緊張しちゃうでしょ。30代・40代の人が思わず間違って「お母さん」と呼んじゃいそうな、商店街にいそうな、「おばちゃん」がいいんです。
斎藤
斎藤 なるほど。「補助金の面倒な申請? おばちゃんに任せときな!」と言ってくれるような安心感がありますね。
前島
前島 名前は窓の恵みで「窓恵(まどえ)さん」。
斎藤
斎藤 スナック感がありますね(笑)。
前島
前島 そう。理想の距離感はスナックの「チーママ」です。ママ(社長)だと少し緊張するけど、チーママなら色々話せてしまう、あの絶妙な立ち位置を目指したいんです(笑)。
斎藤
斎藤 チーママ的距離感のある60代のAIなら人生相談もしちゃいそうですね。そして実際の相談はしっかりと教育された窓・ドアのプロが対応してくれる。
前島
前島
人生相談までされるような存在が最高。サイトを開いたら、窓恵さんがいる。このギャップがお客様の緊張を一気に解きほぐすと信じています。
WebとAIという先進的な入り口の先に、誠実な地元の職人がいる。この「人間味」と「仕組み」の融合こそが、リフォーム業界における本質的なDXの形だと確信しています。
リフォーム産業新聞(2026年5月)掲載
編集後記 「窓恵さん(60代女性)」という独自のキャラクターが生む「安心感」。前島社長の戦略は、AIという最先端ツールを使いながら、その中心に「おばちゃんのような温もり」を据えるという、非常に人間味あふれるものでした。「察する」という、人間にしかできないと思われていた領域にAIで挑む。その挑戦を支えているのは、BtoB時代から培われた圧倒的な施工品質と誠実な組織力なのだと、深く感銘を受けました。

つくば住生活株式会社
代表取締役 前島 聡一
茨城県のつくば、石岡、筑西市を中心に、地域密着50年以上。「PATTOリクシル マド本舗 」として窓・玄関ドアリフォームを中心に圧倒的なシェアを誇る。社是は「誠心誠意」。
株式会社シップ
取締役/WEBクリエイト部 部門長
斎藤 葵
2012年入社。広報・営業部の経験を経て 現在は商品サービス部門でチームマネージャー、WEBディレクター、広報を兼任。







