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【レポート】シップオンラインセミナー7月

シップオンラインセミナー7月

窓リフォームの最前線

国土交通省、経済産業省、そして環境省の三つの省が連携して推進している”住宅省エネ2023キャンペーン”は、 住宅のエネルギー効率化を強力に支援する一方で、 現実的には供給力が追いついておらず、現場では資材供給に問題が発生している最中です。
しかし温暖化効果ガスの対策は急務であり、住宅リフォーム分野では本格的な断熱改修工事が望ましいのですがコストや時間の面で制約があり、どうしても実務が限定的となりがちです。
やはり内窓設置や窓交換といったリフォーム手段は、環境保護と施工主の省エネ・節約等の実用的なメリットを両立させる手段として、 もっと深く学ぶ機会が必要と考え本セミナーを企画しました。
窓リフォームのエキスパートである講師から、窓リフォーム事業のポイントについて具体的にお話しいただきます。
本セミナーが、住宅リフォームの新たな視点と具体的な手段を探求する一助となることと思います。

概要

  • タイトル:窓リフォームの最前線
  • 実施日:2023年7月27日(水)
 

出演者

  • つくば住生活株式会社 代表取締役 前島 聡一氏
  • 有限会社中沢硝子建窓 代表取締役 中沢 仁郎氏
  • 株式会社OKUTA 非常勤取締役 OfficeT代表 山本 拓己氏
  • 株式会社シップ 代表取締役 小松 信幸



進んでいく地球温暖化

日本のCO2排出量のうち、住まい(家庭部門)からのCO2排出量はその16%を占めており、 特に、居住中のエネルギー消費を減らすことは、CO2削減を大きく促すと言われています。
現在、国土交通省・経済産業省・環境省では2050年カーボンニュートラルの実現に向け、家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の住宅省エネ化を支援するため、補助事業を行っています。

 

窓補助金 今の状況は?

前島:11月からはじまり、12月頭から先進的窓リノベ事業を開始。

その当時から、勉強会やセミナーを開催し情報を発信してきました。 その反響もあり、結果的に4、5、6月と過去最高の売り上げに達しました。
ですが
、リクシルの方で生産がおいつかず工事ができないという事態が発生してしまい、9月10月まで工事がうまってしまっている現状です。 補助金がただ需要の先食いになってしまっている心配があるますね。


中沢:11月当初は大きな動きはありませんでしたが、申請がはじまる4月頃から問い合わせが殺到し、現在リクシルもYKKも納期が内窓に関しては3ケ月くらいかかってしまうため、4月に注文したものが7月に届くようになっている現状です。
そうなると、今現在は補助金の動きがなくとも、7月8月に補助金額は減るんじゃないかな、と考えています。
ただ、その後、補助金がなくなるのではないかと買い控えをされる方も多いため、それ以降の問い合わせが減ってきています。なので、案外補助金がなくならないんじゃないかと考えています。
ですが、11月の補正予算で新たな補助金がでてくるのではないかと思うので焦らずお客様には来期のプランを提示するのも一つの手だと考えています。  


山本:その通りだと思います。
一般住宅を改善することでエネルギー浪費を防ぐ。 これは、1~2年で片付く問題ではないため、これからも続いていくと思います。 国全体のco2をさげるには、一般住宅の改善が必要です。補助金が間に合わなかったお客様にも次回絶対またあると、次の戦略を考えることは大切だと感じます。


補助金申請の社内体制はどうしていますか?


中沢:3人の女性スタッフで回しています。去年は、合計600件以上の補助金でしたが、それくらいが今の限界です。

 

山本:一般の営業マンが補助金の手続きもするとなると、複雑なので、補助金申請が面倒くさいから窓はやりたくないという考えになってしまう可能性もあります。補助金関係のものは専門のチームを設けたほうがいいと思います。

 

小松:これからも窓の補助金は続いていくので、補助金にどれだけ慣れるのか、社内体制を整えるか、補助金についても専門的に学んでいく事が大切ですね。



山本:国策として、政府がプロモーションをするので、お客様の方が知っている可能性もあります。つまり、それをやらないという選択肢はないので、どういった社内体制で、どう行うのかを考えるのは必須だと思います。


窓リフォームと環境


前島:自分たちが、窓のリフォームをすることで、温熱環境、エネルギーと色々な面で貢献できることを改めて感じました。窓から壁、床と断熱リフォームを広げる。窓からスタートし、環境に貢献できることはとても素晴らしいことだと感じます。

山本:採用の面では、かつて、産業廃棄物が環境ビジネスを謳った際に新卒の環境を学んだ学生が増えたということがありました。それは、経営者の方が誇りと社会的責任を自ら語った結果だと思います。今、前島さんがおっしゃった、社会的責任といった部分を窓屋が語っていく時代がもう始まったんだな、と感じます。 誇りを持った会社には優秀な社員が入ってきますもんね。  

中沢:今すぐに窓だけで環境を変えることは難しいですが、今から5年後10年後に少しでも窓で貢献ができていたら、今までにない産業で、すごくいいなと、自分の仕事を誇りに思います。


前島:窓だけで環境をよくしようとしても無理なので、リフォーム会社や工務店も業界全体で取り組んで良くしていきたいですね。

今後の窓リノベ事業

  前島:近隣でも無くなってしまった冊子屋さんとかは多いですが、やはり、冊子屋の粋をどうしても越えられない人たちが多いと感じます。 「窓」と考えれば、全然可能性は広がると思います。
そこをなんとか皆んな行ってほしいです。M&Aでも、窓のことをよく知らない会社に買われてしまう。これはものすごくマイナスなことです。
もっともっと、自分たちの仕事、良いことをやっているんだ!と発信していけば、窓屋さんがどんどん増えて行くと思います。

中沢:職人不足や、窓職人の育成も課題です。 リフォーム会社の人材採用と体制の強化が必要 だと感じます。

山本:そうですね。 日本で断熱になっている窓は数十パーセントくらいしかない。窓事業は、まだまだ市場はものすごく大きいので、これからますます勢いが必要です。

中沢:あと、電気代を抑えたいときに、窓というアイディアが出てこない人が多いと思います。 そこを、うまく伝えていきたい。そのアイデアをうまく伝えていけば切り口としては鋭い切り口になるんですけどね。

小松:小松:例えば、3ヶ月に1回、中沢さん、前島さんとネットで窓の話を聞ける機会などもうけるのもいいですね。 多くの人が窓や環境に対する情報に触れる機会があるといいと思います。 事業者だけでなく、気候変動や地球温暖化などの問題をみんな本気になって取り組んでいく必要があります。  


まとめ


窓リノベ事業の展望として、市場はまだまだ大きく環境への意識が高まる中で更なる勢いが必要とされています。
また、窓リノベ事業の拡大と共に、窓職人の育成や人材採用問題の他、窓のエネルギー効率への認知拡大も重要です。 気候変動や地球温暖化などの問題に対して、多くの人が本気で取り組むことが必要とされています。