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【レポート】シップオンラインセミナー8月

シップオンラインセミナー8月

外壁塗装会社の「論語と算盤」

住宅リフォーム市場の中で外壁屋根塗装は全体の40%以上を占める最大のカテゴリーですが、それゆえに新規参入会社の増加で競争が激化していることと、顧客から見たときには各会社の違いがわかりにくいため、営業的な差別化が難しいという2つの問題が発生します。その結果、多くの会社は価格比較サイト経由で「相場見積もり」で
営業活動をする羽目になるため、真面目な会社ほど利益が出ないということになります。
N&N社もかつてはそうでした。結局なにがしたいのか…その自問自答の結果導き出したのは、
まるで「論語と算盤」でした。自分のやりたいことは「お客様の真のニーズ」に応えること、それは外装リフォームは家を美しく長持ちさせること、そこに真っ直ぐに向き合った結果生まれたのが「ナガモチ工房」です。
今回は、N&N社の変革の現在進行中をみんなで共有して、目線を上げることで反響増と粗利増を同時達成する
法則を学んで頂ければと思います。

概要

  • タイトル:外壁塗装会社の「論語と算盤」
  • 実施日:2023年8月30日(水)

出演者

  • 株式会社N&N 代表取締役 見目 博氏
  • 株式会社OKUTA 非常勤取締役 OfficeT代表 山本 拓己氏
  • 株式会社シップ 代表取締役 小松 信幸



株式会社N&Nとは



埼玉県さいたま市を中心に外壁リフォームを行っており、事業内容は、外壁・屋根・内装などの塗装工事全般を幅広く施工しています。代表の見目氏は、「誰かが得をする、損をする、ではなく関わる皆が全員一緒に幸せになる」ことを強く想っており、そのために仕事=人間関係を築けるよう地域密着型として施工を実施。 民間から公共工事に至るまで様々な施工実績があり、その経験や知識を活かした「塗ってナガモチ」する提案を強みにしています。


外壁リフォームの現状と課題

①新規参入業者の増加と価格競争

外装リフォームの営業には必須資格はないため参入障壁が低く、見た目の仕上がりも違いがあまりないため、差別化が難しく価格競争になりやすい 

②外壁の価値を提供できない

外装リフォームのニーズはメンテナンス(現状回復)が主にあるが、本来はリノベーション同様デザイン性を伴った「機能向上」による「ナガモチ」の価値もあるはず。しかし、この価値は潜在的で施主自身認知できていない。



③気候変動対策など提供価値拡大の余地がある

外装リフォームは周囲に足場をかけて工事を行う。 本来であれば住宅の外面に対して包括的な視野を持つことで、遮熱・断熱・窓工事による機能と快適性の付加、太陽電池などを含めた気候変動対策などにも貢献できる。


N&Nのこれまでの歩み


ナガモチ工房スタート

①屋号の変更



社名を覚えていただけないことから、屋号を「ナガモチ工房」に変更。
それに合わせ、ロゴデザイン、イメージキャラクター、商標登録、ホームページ改定、看板改定などを実施。見事、リブランディングに成功し今ではお客様から「ナガモチ工房」といえば「外装リフォーム」と認知していただけている状態へ。
 

②「ナガモチ工房」の理念


外装リフォームとは、塗装工事だけでなく、様々な改修方法を用いて建物を長持ちさせることを目的としたリフォーム。 外装の状態を的確に見極め、適切な工事をご提案をする必要性がある。
そのため、ただ施工をするのではなく施主の新のニーズを引き出し、お客様の求める「本当の意味でのナガモチ」となる工事をご提案していくことに努めている。

<具体的な事例>



全てを塗り替えるのではなく劣化した部分だけの張替を、その他は塗装といったような張りと塗りのハイブリット形式をご提案しコストとデザイン性の両立を実現。 ただ施工をするのではなく、その家にあったご提案を追求したことで2年間様々な会社を回り検討を続けてきたというお客様もこの提案ははじめてされたとのことでナガモチ工房への依頼を決定された。




パネルディスカッション

小松:見目さんのお話をきいてどうでしたか?

山本:リブランディングが見事にはまったケースですね。他社との差別化を図るためにどうすればよいのか悩まれていたとのことでしたが、そんな社長の想いとブランドネーミングが完全に一致していると感じました。
反響が増えて平均単価が上がったというお話も、マーケティングの面で考えると「ナガモチ工房」という言葉がもっている情報が、施工に丁寧さやこだわりを求めているお客様に対象を絞ることができます。

見目:「N&N」から「ナガモチ工房」に変え、ネーミングでここまで反響がかわるのかと驚きました。
「ナガモチ」という言葉ですが、なにをもって「ナガモチ」にするのか、長持ちする塗料をぬれば長持ちになるのではなく自分がしたかったことは、その家にあった「ナガモチ」が必ずあるのでそれをお客様にご提案をすることです。 それをできるのが本当のプロだと思います。
家の構造からどうすれば長持ちにできるのかを追求しご提案をするように努めています。

小松:提供する価値を名前にされる企業は少ないですよね。社名を聞いても、何の会社かわからないという企業の方が割と多いですよね。

山本:都会ではマーケットサイズが大きいので、会社名を企業ブランドとして浸透させていくのは難しいです。
なので、「ナガモチ工房」のような商品ブランドを打ち出す名前は覚えやすくていいですね。

小松:先ほどの山本さんがおっしゃていたように、社名や屋号の与える影響がお客様をかえていくといったお話がありましたが、実際はどうですか?

見目:以前は、複数の会社と比較しに来店される方がおおかったのですが、もううちに施工をすると決めてくる方が多くなりました。あと、先ほどもお話したように何をもって「ナガモチ」というのか、といったお話に納得されてうちに依頼する方が増えました。

山本:ナガモチ工房さんの場合、リブランディングの結果、お客様(ターゲット層)が変化したと思うんですがそうなってくると社員の質も変化してきます。他社の塗装店と差別がついているため他の塗装屋さんにいるがナガモチ工房さんの方針や考え方に共感する求職者さんや、今社内にいる社員さんも目指すべきあり方が明確なのでよりやりがいや誇りを持って働けると思います。

小松:これからのナガモチ工房について事業展開はどうお考えですか?

見目:ナガモチ工房の技術で、日射から自宅を守ったり断熱性を高めるなど、外装からお客様の暮らしを変えていきたいですね。

山本:現代は、30歳で家を買っても50、60年家を長持ちさせなければならない時代ですから、そういった理屈もお客様にご説明する必要があると思います。また、「ナガモチ」というキーワードをつかって様々な商品や施工技術に発展させていくといいですね。業界全体の発展の面では、そういった高度なものを一緒にやっていく仲間をつくったりするのも良いと思います。

小松:ナガモチ工房さんのように自分にしかできない他社はやっていない違いのようなもので売り出していくということが重要ですね。 塗装の会社は、差別化が難しく価格競争にのみこまれてしまう、ということが問題になってますがそこを抜け出す一つの解がナガモチ工房に確実にあるなと思いました。

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