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【セミナーレポート】シップオンラインセミナー3月 

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屋根工事事業者向け

下請けから元請業態脱皮と増収大作戦

ハウスメーカーや家電量販店といった知名度の高い大手事業者が住宅リフォームビジネスに参入し、売り上げを伸ばしています。ただ、実際に工事の現場を担っているのは工事会社であり、元請け業態への展開に成功している工事会社が増えてきています。その一番の理由はWEBでのリフォーム会社探しが一般化したため。消費者はHPやGoogleの口コミを活用し、ネットで事業者を直接探せるようになりました。 そこで今回のセミナーでは、下請け事業から元請け事業に成功した屋根・塗装事業者3者と数多くの元請け化事例を見てきた山本氏と湯沢氏が具体的な取り組みや考え方を話します。 「下請け脱却するための壁の越え方」や「実施すべきネット戦略」「組織化するための考え方」など、〝元請け化〟をキーワードに幅広い内容を聞ける1日です。

概要

  • タイトル:下請けから元請業態脱皮と増収大作戦
  • 実施日:2022年3月26日(木)
  • 参加対象:屋根工事事業者向け

プログラム

  • 第1講演:元請け売上2億超へ 下請け依存脱却の3年間の歩みを公開!
      藤井製瓦工業株式会社 代表取締役 藤井孝浩氏
  • 第2講演:「街の瓦屋さん」から相談できる外装リフォームをブランド化 WEBでお客さんに選ばれる仕組みとは
      山本瓦工業株式会社 代表取締役 山本武司氏
  • 第3講演:100社の事例から見えた 脱下請け!屋根工事会社のネット戦略
      株式会社シップ 営業部マネージャー 山本隆輔
  • 第4講演:必要なことは建設職人甲子園から学べ! 元請け化に向けたハードルの越え方とは
      職人甲子園代表理事/株式会社マーブル代表取締役 石井賢氏
  • 第5講演:生活者から選ばれる工事店には共通点があった 必ずマネしたいマル秘重要ポイント
      株式会社シップ 部長 湯沢将志

元請け売上2億超へ

下請け依存脱却の3年間の歩みを公開!

藤井製瓦工業株式会社 代表取締役 藤井孝浩氏

藤井製瓦工業株式会社は、明治30年創業。
曾祖父が瓦の製造を始めた。約35年前に製造は辞めて工事業へ。
社員数27名。平均年齢41歳。
住宅がメインの屋根工事業だが、幼稚園や文化財等の屋根工事も行っている。
瓦だけでなく、板金屋根工事や雨樋工事も行っている。また、瓦を利用したリサイクル事業も展開。
売り上げの60%が瓦工事、20%が板金工事、その他リフォーム工事が20%の売り上げ構成。


元請け業態にシフトし始めたきっかけ
仕事が減ったことが一番の原因。台風後は修理を一気にやっていまい一気に暇になる。工事の波がないようにというのと、暇になった職人さんを遊ばせておくのもいけないので、営業を始めた。 元請けと下請けのパワーバランス関係。
営業部設立前は元請けと下請けは1:9、現在は5:5
元請けに嫌われるのはないかという不安があったが、OB客のフォローをしていくスタンスを説明した。
結果嫌われるところもあったが、下請けじゃないとできない瓦工事を残していきたいと思っている。お寺、お城の補強工事など。
BtoBといえど、エンドユーザーがいるため(BtoBtoCのように)、職人さんの接客やマナー向上など、元請けにもメリットがあると考えている。

元請け獲得に向けて最初に始めたことと現在力を入れているところ。
2004年に瓦職人3人を含めた4人のメンバーで営業部を設立。
飛び込み営業もあったが、OB客に力を入れていた。
紙ベースの工事台帳の中から、下請け工事じゃないお客さんから直接頂いた瓦の工事に絞ってOB客の訪問を始めた。
現在はリピーター作りに力を入れている。

今年のテーマ

「感動の屋根工事」

ホームページや営業、職人さんとお客様に対してこのテーマを掲げて取り組んでいる。

「街の瓦屋さん」から相談できる

外装リフォームをブランド化

WEBでお客さんに選ばれる仕組みとは

山本瓦工業株式会社 代表取締役 山本武司氏

創業95年。山本瓦工業株式会社の3代目。
2010年に代表取締役に。
1927年に初代が瓦葺き職人として独立。
1968年に法人化。1971に創立。50周年を迎える。

完全元請け化は目指しておらず、下請けと元請けが5:5の割合。
過去の施工物件のメンテナンスの窓口として会社を存続させることが必要なため。


増収より増益
売上よりも利益を大切にしたい。
増収はトレンドや運などのタイミング。経営者は会社をコントロールことが仕事なので、そちらに力を入れている。

2010年に社長に就任してから、2014年に太陽光バブル。売り上げのほとんどが太陽光発電。
バブル後に売り上げが下がることが予想されたので、スマートルーフなど外装の事業を始める。売り上げは緩やかに上昇。
下請け100%で利益は薄かった。太陽光バブル崩壊後は大幅な近い赤字を出した。

元請け化を目指し始めたきっかけ
お客様と直接話ができるBtoCの営業のほうが自分が好きだった。
太陽光ブームが始まった時に、電気興業社が太陽光パネルを設置しているのをみて、これは屋根工事業者の仕事じゃないかと思った。
それをきっかけに元請け化を目指す。まず、ホームページを作成し公開。対抗発電とオール電化のショールームをオープンした。

元請け化を進める中での問題1 人材確保
人材確保が難しい業界。若い人材の応募がない。3Kの業界に魅力がない。屋根工事会社の営業はイメージがつきにくい。

ではどうするか?
人材確保は「自分が働きたいと思う会社」を作ること。
自分が働いてみたい会社:給与と休みのバランスが良い、きれいなオフィスやショールーム、人間関係両行、安全な工事、デジタル化…など。
2011年から社屋を解体してバブル期に建てたテナントビルに事務所を移してショールームも設置。
他社との差別化を図るため、展示物がないショールーム(ソファに腰かけて打ち合わせができるような)を設置。
元請け化を進める中での問題2 集客問題
集客はホームページ作っただけではだめ。
店舗(リアル)×メディアミックス(看板、チラシ、SNS、ラッピングカー)
販促投資は「受注目標から逆算」する。受注金額=反響数×成約率×客単価
例えば、受注目標1憶に対しては5~6%の販促費を投入している。足り上げ当初は10%ほどかかっていた。
まずは知ってもらわないとお客様は作れない。

元請け化を進める中での問題3 得意先との関係性
下請けで利益が出ていたら、無理に元請け化する必要はない。
施工力がある会社は、工事会社として生き残れるので。職人不足の時代に生き残る。
もちろん、元請け始めると取引がなくなる得意先もある。これは必ず出てくることなので、仕方がないこと。
但し、理解があるパートナーとしての得意先は取引継続してくれる。マナーとして得意先とは競合しない。

屋根ビジネスはブルーオーシャン。
専門店が少ないので、専門工事会社は有利。
是非やってみたいと思う方は、スタートされるといいと思います。
自然災害の復旧支援もできるので、社会貢献ができる。そんなところもよい仕事だと思います。
今後の戦略テーマは「屋根リフォーム専門店」 だからこそ、今回ホームページでの見せ方もリニューアルして「9つの専門店」としてオープンした。
消費者目線で役に立つ運営をしていきます。

100社の事例から見えた 脱下請け!

屋根工事会社のネット戦略

株式会社シップ 営業部マネージャー 山本隆輔

元請け化で重要なこと。
認知を獲得していく。
知っている会社には依頼ができる。知らない会社には依頼が出来ない。

儲かる下請、儲かる元請け
前出のお話にもあったように、儲かる下請なら無理に元請け化をする必要はないと思います。
但し、伸びしろを考えた場合、儲かる元請け転換する必要があれば、自社の強みを理解するところから。
なかなか自社でその強みに気が付きにくいので、シップのような専門的に支援する企業にご相談いただきながら進めるのが良いと思います。

必要なことは建設職人甲子園から学べ!

元請け化に向けたハードルの越え方とは

職人甲子園代表理事/株式会社マーブル 代表取締役 石井賢氏

埼玉県越谷市で戸建ての塗り替え工事をやらせていただいてます。
キャッチコピーとして「ハナマル貰える外壁塗装専門店」
二重丸はもらえるけど、ハナマルってなかなかもらえないなということでつけています。
元々下請け100%の職人出身。元請け化を目指して創業して今、13年です。

元請け化を決断したきっかけは、儲からなかったから。
下請け時代は、大規模修繕工事をスピードとパワーでやっていた。
忙しくしていたが、通帳開いてもお金がない。どうしたらいいかな?
と悩んでいたら、ホームページを使って集客をしているぺんき屋がいた。
これだ!と思って始めにやったのはホームページを作った。
ホームページ作ればお客さんが来るものだと思っていたが、そう甘くはなかった。
お客さんから連絡が来るわけでなく、業者から連絡が来て、片っ端から契約してしまって、何の成果も残らなかった。

そんなホームページだったが、1本の電話かかってきて、工事につながった。
そのお客様の塗装工事に全身全霊をかけて仕事をさせていただき、大変感謝していただけた。
「あー、向かっている方向は間違いないな!」と認識できた。

元請けになるために、自分も職人も変化した。
多少はお客様と接する機会はあったものの、大規模改修時代のやり方ではだめで、
お客様の前に立っても恥ずかしくない見た目とマナーを身に着けていった。

何度も塗装するわけではないので、お客様にも楽しんでいただいて、自分たちも楽しんで塗装をする。これを心がけている。

下請け100%から元請けになるために、会社の中で変えたはいけないものを変えてしまった。
社員とのかかわり方まで変えてしまった。
自分は外に出かけて、集客だ、会社をこうしなければならない。そちらばかりに目を向けて外ばかり見て頭を悩ませていた。
職人たちに寄り添って関りを持つ時間をないがしろにしてしまった。
「俺は忙しいんだ。お前らはそっちでやってろ!お前らだけで問題は解決しろ。」
そういった社風が出来上がってしまった。
そんな中で社内のバランスが崩れてしまい、No2が独立し、さらに人間関係が悪化してぐちゃぐちゃになっていった。

「えー、これウチノ会社か。どこから手をつけていいかわからない。」
そんな会社が出来上がってしまった。
どうしたもんか?と頭を悩ましているときに、
建築職人甲子園の話を聞いて、社内に変化が起きるかもしれないというきっかけになればと、参加を決意した。
チームプレゼンなので、社長だけでなく、社員にも参加してもらう必要になった。

「何だ今更。そんなプレゼンもしたくない」

と社員から反発を受けたが、第三者として甲子園のサポートメンバーに社内に入ってもらい、
徐々に凝り固まっていたものが雪解けして、良い状況になってきた。
プレゼン大会にも参加させていただき、チームプレゼンも成功し、涙を流して分かち合えた。

今では、理事長になって様々な会社様の問題解決をしている。
一番は人の問題。人の問題に対して一緒になって問題解決をしている。

共に学び共に実践、ともに輝く。
この理念の元、活動をしています。

元請けって響き、とても魅力的です。儲かるみたいなイメージがある。
ただ、何のために儲かりたいのか?が大切。
それをすることで誰の役に立つのか?
社長が1人がいい車のって従業員はひーひー言ってる。
そんな私利私欲のために元請け化をしてはいけない。

皆で幸せになる。これが大切だと思います。

生活者から選ばれる工事店には共通点があった

必ずマネしたいマル秘重要ポイント

株式会社シップ 部長 湯沢将志

まずは、下請けのメリット・デメリット。
これを整理します。

デメリットが大きくなってくるので、元請け化を検討されると思います。
儲かる下請なら、無理に元請け化しなくていいというのは私も思います。

選ばれる工事店て?
このまとめをさせていただきます。
本日お話しいただいた皆様の共通点。
それは地域の困りごとを解決されているということだと思います。
地域の困りごとを解決する企業=必要とされる会社。
根本は何のために事業をするか?ということだと思います。